近代日本法政史料センター所蔵資料について
所蔵資料-明治新聞雑誌文庫
- 「明治新聞雑誌文庫」は「滑稽新聞」「面白半分」等ユニークかつ反骨のジャーナリストで、江戸風俗文化研究者でもあった宮武外骨の収集資料と吉野作造博士のコレクションの一部を中心として発足しました。
- 全国各地の篤志家からの寄贈が相次ぎ、本学附属図書館からも新聞が移管され、また事務主任となった宮武は、心血を注いで全国各地を資料収集のため東奔西走し、日本最大の明治期刊行新聞雑誌コレクションを誇る蔵書は充実したものになりました。
- 分野を限らず、明治・大正期の新聞雑誌を1枚1冊でも蒐集、整理する宮武の精神は、その後公私に渡る助手を務めた西田長寿をはじめ後継者に受け継がれ、現在も種々の制約下でも地道な努力が続けられています。
- 2022年現在、 新聞は2,112タイトル、 雑誌は8,185タイトルに達し、その他錦絵やパンフレット類など関連資料は約5,800点(パンフレット:約1210点、1枚物/錦絵:約3700点、書簡など159点、宮武外骨資料約730点)を数えます。
- 新聞、雑誌はその時代・社会をその雰囲気まで含めて映すと共に、社会、「世論」に影響を与え、政治、経済、思想、文化運動等の原動力の役目も担っていました。開国以来西欧化による「文明開化」を推進してきた日本の近代において重要な位置をしめています。 豊かな当文庫の所蔵資料は近代日本の政治史、法制史、経済史、社会史、教育史、文学史、文化研究等多方面の研究者や地方自治体の歴史編纂事業の他、海外の研究者にも幅広く利用され、 昭和52(1977)年には「国際交流基金賞」を受けました。また要請を受けて多数の出版物、放送への掲載や展覧会出陳等にも協力しています。
資料紹介-明治新聞雑誌文庫
- 「官板バタヒヤ新聞」
- 日本最初の新聞。
- 文久2年(1862)バタビア ( Batavia。インドネシア)のオランダ
- 総督府機関紙「JavascheCourant」を幕府の蕃書調所
- (東京大学の前身)が翻訳。欧米の政治情勢を伝える
- 「別段中外新聞」 日本最初の号外
- 「横浜毎日新聞」 明治3年創刊 日本最初の日刊紙
- 「東京日日新聞」 明治5年創刊 東京最初の日刊紙
- 大新聞 (政論中心、漢文調)
- 「朝野新聞」 「郵便報知新聞」 「東洋自由新聞」
- 小新聞 (振仮名付き、俗談平話)
- 「仮名読新聞」 「讀賣新聞」 「東京繪入新聞」
- 新聞錦絵 (新聞社会面記事を題材とした錦絵と文)
- 「東京日日新聞(錦絵)」 「郵便報知新聞(錦絵)」 「大阪錦画日々新聞紙」
- 独立系新聞
- 「時事新報」 「日本」 「国民新聞」 「萬朝報」 「二六新報」
- ニュース・娯楽提供 企業経営的新聞
- 「大阪朝日新聞」 「大阪毎日新聞」
- 明治大正期の雑誌
- 政治、法律、歴史、文学、経済、産業、工業、芸術、自然科学、軍事、
- 婦人雑誌、少年少女雑誌、趣味等
- 錦絵、絵葉書コレクション
- 「外骨書函」 宮武外骨発行新聞雑誌
- 「吉野文庫」 吉野作造教授旧蔵書
- 「岡文庫」 岡義武教授旧蔵書
- 「井手文庫」 井手三郎氏旧蔵書
所蔵資料-原資料部
- 原資料部では、明治時代以降の学者、政治家、官僚、法曹などの史料を所蔵しています。
- 目録は「近代立法過程研究会収集文書」として作成されており、東京大学OPAC上で所蔵文書群名を検索することができます。
所蔵資料の例-原資料部
- 荒木貞夫関係文書、岡義武関係文書、岡本愛祐関係文書、床次徳二関係文書、我妻栄関係文書、百武三郎関係文書(寄託)