沿革
- 当センターは、昭和2(1927)年2月に東京帝国大学法学部に開設、3月より農学部の旧第一高等学校3階の1室を借りて業務を開始、昭和4(1929)年12月には、現在の総合図書館の隣接棟地階(「明治新聞雑誌文庫」現所在地)に移転しました。
- 「大正デモクラシー」の思想的指導者で東京帝国大学法学部教授吉野作造や、尾佐竹猛、石井研堂、宮武外骨らが設立した「明治文化研究会」は、大正12(1923)年の関東大震災による明治期の新聞雑誌の散逸状況を憂え、明治文化及び明治期活字資料の発掘を行うとともに、新聞雑誌保存館の必要を唱えていました。
- この構想に賛同した宮武外骨の友人で博報堂の創業者、瀬木博尚氏が15万円の寄付金を東京帝国大学に提供、東京帝国大学法学部では吉野作造、中田薫、穂積重遠諸教授の協力の下、昭和2(1927)年2月、「明治新聞雑誌文庫」が法学部に付置されることが決定、館長には穂積重遠教授、事務主任に宮武外骨を迎えました。
- 昭和51(1976)年度、法学部附属施設として正規の予算が認められ、昭和52(1977)年10月には、明治新聞雑誌文庫創立50周年記念「明治を読む−明治の新聞雑誌展」を開催。また、同年、国際交流基金賞を受賞しています。昭和56(1981)年には「近代立法過程研究会」を前身とする「法学部附属近代日本法政史料センター(原資料部)」とともに「法学部附属近代日本法政史料センター(明治新聞雑誌文庫)」に改組、平成16(2004)年度より「大学院法学政治学研究科附属」施設となりました。
- 現在も通称の1つとして「明治文庫」または「明治新聞雑誌文庫」の名称で知られています。
年譜
- 大正12(1923)年9月
- 関東大震災によって内務省、各新聞社などが壊滅的被害を受ける
- 多数の明治~大正期の新聞雑誌が焼失、散逸
- 大正13(1924)年11月
- 「明治文化研究会」設立
- 会長:吉野作造博士
- 創立メンバーには尾佐竹猛、石井研堂、宮武外骨
- 大正14(1925)年7月
- 「帝大明治文化研究会」第1回会合
- 大正15(1926)年9月
- 「新聞雑誌保存館」創設のため
- 博報堂の創業者、瀬木博尚氏が15万円の寄付金を東京帝国大学に提供
- 昭和2(1927)年2月
- 「明治新聞雑誌文庫」東京帝国大学法学部に設置されることが決定、農学部を仮事務所とする
- 館長:穂積重遠博士、事務主任:宮武外骨
- 昭和2(1927)年3月
- 農学部の旧第一高等学校3階の1室を借りて業務開始
- 昭和2(1927)年6月18日
- 明治新聞雑誌文庫設立記念「明治初期新聞雑誌図書展覧会」開催
- 於:東京帝国大学大講堂
- 昭和3(1928)年8月1日~30日
- 事務主任:宮武外骨、山梨・長野・新潟・宮城ほか甲信越方面へ新聞収集のため、出張
- 各地新聞に新聞、雑誌譲渡(寄附)の広告を掲載
- 昭和3(1928)年9月15日
- 新収集品を「珍品展覧会」として展示
- 於:東京帝国大学法学部研究室
- 昭和4(1929)年12月
- 現在の総合図書館に隣接する新築棟地階(書庫200坪。「明治新聞雑誌文庫」現所在地)に移転
- 昭和5(1930)年3月
- 明治新聞雑誌文庫、全工事が終了
- 新聞雑誌3,500点、その他5,000点超の資料を書庫に収める
- 昭和5(1930)年7月
- 『東天紅 東京帝國大學法學部 明治新聞雜誌文庫所藏目録』刊行
- 編纂:宮武外骨、発行:瀬木博尚
- 昭和5(1930)年11月24日-26日
- 帝国大学新聞創刊10周年記念「内外新聞発達史料展覧會」開催
- 於:東京帝国大学大講堂
- (博報堂創業35周年記念事業)
- 昭和6(1931)年9月
- 「東洋自由新聞」(社長:西園寺公望。主筆:中江兆民。)
- 第1号~第34号(終号・揃物)を収集
- 昭和7(1932)年3月6日-30日
- 事務主任:宮武外骨、愛知・岐阜・三重・滋賀・京都・大阪・広島他、
- 中部、関西方面へ新聞収集のため、出張
- 昭和8(1933)年11月6日-7日
- 帝国大学新聞第五百号記念「明治大正新聞展覧會」開催
- 於:東京帝国大学大講堂
- 昭和10(1935)年7月
- 『東天紅 東京帝国大学法学部 明治新聞雑誌文庫所蔵目録』続編刊行
- (博報堂創業40周年記念事業)
- 昭和14(1939)年5月17日
- 荒木文部大臣明治新聞雑誌文庫視察「特別展覧會」
- 於:明治新聞雑誌文庫
- 昭和16(1941)年3月
- 「東天紅・東京帝国大学法学部明治新聞雑誌文庫所蔵目録」三篇刊行
- 昭和42(1967)年
- 「近代立法過程研究会」発足
- 昭和51(1976)年
- 法学部附属施設として正規の予算が認められる
- 昭和52(1977)年
- 国際交流基金賞を東京大学法学部附属明治新聞雑誌文庫が受賞。
- これまでの国際交流基金賞受賞者/授賞式・関連行事概要(昭和48(1973)年度~昭和55(1980)年度)
- 昭和52(1977)年10月20日-25日
- 明治新聞雑誌文庫創立50周年記念「明治を読む-明治の新聞雑誌展」開催
- 於:大丸東京店。主催:明治新聞雑誌文庫
- 昭和52(1977)年10月31日
- 「明治新聞雑誌文庫所蔵新聞目録(昭和52年4月現在)」東京大学出版会より刊行
- 昭和53(1978)年9月13日-18日
- 『琉球新報』創刊85周年記念として「明治の新聞・雑誌展」を那覇市で開催
- 於:デパート・リウボウ。琉球新報社・明治文庫[共催]。
- 昭和53(1978)年10月12日-17日
- 第31回新聞大会開催記念「明治の新聞・雑誌展」を仙台市で開催
- 於:仙台十字屋デパート。主催:河北新報社・明治文庫[共催]。
- 昭和54(1979)年10月1日
- 「明治新聞雑誌文庫所蔵雑誌目録(昭和54年3月現在)」東京大学出版会より刊行
- 昭和54(1979)年10月14日-21日
- 「明治の新聞・雑誌展」を高知市で開催
- 於:リブロード。高知新聞社・共同通信社・明治文庫[共催]。
- 昭和56(1981)年2月4日-9日
- 「明治の新聞・雑誌展」を鹿兒島市で開催
- 於:丸屋デパート。南日本新聞社・共同通信社・明治文庫[共催]。
- 昭和56(1981)年
- 「東京大学法学部附属近代日本法政史料センター」設立
- 「近代立法過程研究会」を前身し、一次資料を中心とする「原資料部」、
- 新聞雑誌を中心とした雑誌部「明治新聞雑誌文庫」に改組される
- 昭和58(1983)年10月25日
- 「明治新聞雑誌文庫所蔵図書・資料類目録(昭和56年3月現在)」東京大学出版会より刊行
- 平成16(2004)年
- 「東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター」となる
- 平成21(2009)年11月9日-20日
- 朝日新聞創刊130周年記念事業 明治・大正データベース(監修:明治新聞雑誌文庫)
- 記念展覧会+講演会「「坂の上の雲」の時代-「帝国」の形成」開催
- 於:朝日新聞東京本社。主催:朝日新聞社、共催:明治新聞雑誌文庫
- 平成22(2010)年3月
- 明治新聞雑誌文庫所蔵-新聞所蔵目録データベース館内公開。
- 平成23(2011)年3月
- 東日本大震災によって、各図書館、博物館、資料館などが、大量の建物・資料被害を受ける。
- 明治新聞雑誌文庫1週間の閉館の後、開館。同月末、錦絵新聞画像データベース、写真画像データベース館内公開。
- 平成27(2015)年3月
- 明治新聞雑誌文庫所蔵資料検索システム「明探」公開。オンラインでの新聞、コレクションなど資料の所蔵検索、錦絵新聞・古写真の画像データ閲覧が可能となる